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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 220号

外来は(うちだけかもしれませんが)勘違い、スレ違い、行き違いの多発地帯のような気がします。つい怒ってしまったり、患者さんが急に怒り出したり。来なくなってもなかなか気が付かないので、去る者は追えず、なのです。でも患者さんの家族が来て、本人が傷ついてますなどと訴えられると、こちらもしばし落ち込みます。そういう意味でも毎回通院を続けてこられる方々はまさにありがたい(我慢強い=ペイシャントな)存在です。

ホントにコワイのかなあ

「最近血圧が高めで、怖いのできました。見てください」
「確かに、自宅でも少し高いようですね。お薬を追加しますかね」
「そうしてください」
「それにしても今日は高いですね」
「ええ、しばらく薬切れちゃっていたので」(ギャフン)
「風邪ぎみでセキが出て、喘息になったら怖いので早めに来ました」
「そうですか(でもタバコ臭いなあ)タバコやめていますか?」
「いえ、食後の一服だけですけどね」(ぎゃふん)
みんなもしかして「社交辞令」なの?

ホントにいいのかなあ

胆石持ちのGさん「こんど旅行に行くんで、行ってる間に痛くなったら大変だから検査に来ました」
「ええ、結構ですよ。でも、検査したからって痛くならないわけじゃないし、ほかに痛くなっても『いい』日があるわけじゃないですよね(笑)」
「そうですね、どうしましょう」
「大丈夫と思いますが、念のため痛み止めを持って行ったらいいんじゃないですか」
「そうします」
われながら、最近つっこみがイジワルになってきたかも

ホントにコワイのはどっち?

「Sさん、最近やせましたね」
「ええ、ふつうに食べてるんですけどね」
「一度胃の検査とかしてみたらいいんじゃないかな」
「でも胃カメラはホントにしんどくてつらいってみんな言うからこわいのでやりたくないです」
「それは、人によるし(やる医者にもよるし)言われるほどつらくないんだけどなあ」
胃ガンのほうがこわいと思うけど、この「神話」は根強いですね

ホントにラクなのはどっち?

「胃の検査お願いしますだ」と腰の曲がったBさん
「だばってカメラだばぜったい無理だがらバリウムでお願いするス」
(検査中)「はいうつぶせになって~息止めて~仰向けになって~左向いて~右の腰挙げて~今度は左~はい台起こしますよしっかりつかまって~」
「あいたた、よっこらせ」エッチラオッチラ大変なことになっています
胃カメラは楽とは言いませんが、寝ていればいいだけですからね
「食わず嫌い」ならぬ「やらず嫌い」のかたが多くて可哀想です

3時間待ちの3分説教

「こないだ総合病院に行ったんですよ、腸の検査したらって先生が言ってたから」
「えっ、いきなり?」
「何も考えないで、そしたら」
「怒られたでしょう」
「そう、ちゃんと紹介状持ってきなさいとか」
「あなたのような人がいるから外来が混雑するんだとか。ここは特殊機能病院なので、そもそもかぜとか・・・云々」
「そうなんです、よくわかりますね」
「ええ、まあ。昔ボクもやってましたから(爆笑)」
その(厚労省が乗りうつったような)小言を飲み込めれば、もっと早く済むんですよね

30秒待ちの3分診療

「あれえ~ここではかるといつも高いなあ」
「ほかではどうですか?」
「総合病院の整形外科行ってて、あそこで計るともっと低いんだけど」
「そうですか、わかりました。あそこは混むでしょう?」
「ええ、そりゃもう」
「ずいぶん待ってから計るから、下がるんですよ」
「はあ」
「うちは来たら待たないですぐ計るから高めになっちゃうんですね」
「なるほど」
待たなくていいのは、あまり褒めたことではないような・・・
それにあんまり空いてると患者さんも不安になってしまうかもネ

転載:月刊東洋療法 220号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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