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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 221号

たくさんの患者さんとお話していると、いろんなストーリーに出会います。人間関係、家族の揉め事、はては事故から事件。まさに事実は小説より奇なりです。ただそれと病気、症状は切り離せないことも多いので、患者さんが口ごもるようなこともしつこく追求することもあります。まさに気持ちはシャーロック・ホームズばりの名探偵なのです。

カスミを食べている?

「Uさん、尿酸が高いですね」
「はあ、何に気をつけたらいいでしょう?」
「お酒は飲まないでしょうから、お肉を控えるとかですね」
「お肉はほとんど食べないですよ」
「じゃあ、野菜を多めにとるとか」
「野菜は嫌いだから食べないですね。ご飯もちょっとしかよそわないし」
「すると、いったい毎日何を食べてるんでしょうね!?」
"突撃となりの晩ご飯!"みたいに、のぞきに行きたくなります

あるがままに

「Dさん、そろそろ血糖とコレステロールの検査をしないと」
「いやあ、今朝大福食べちゃったから、また今度」
「Aさん、いいかげん肝機能のチェックしないと」
「昨日の晩飲み過ぎちゃったから、この次にしてくださいよ」
年に一回しかしないようなことならいいですけど「あるがままの日常の状態」を知らないと
(健診の前一ヶ月、禁酒するのも同じですね)

できない理由でなくやれる方法をさがしましょう

「腰が痛くてねえ」
「そうですか、散歩なんかはできますか」
「いえ、車が危ないから歩きません」
「そんな、道路ばっかりじゃないでしょう」
「いえ、広場も公園もうちのほうにはないし」
「ホントに?」
(田舎はある意味ぜんぶ公園ですけど)
「それに人のうちの前歩いてるとあやしまれるしねえ」
「そうですか、それじゃあ仕方ないですね」
(80になる顔見知りの住民が近所を散歩していると怪しむ人がいるわけですね)
こうなるともう説得するより楽しみです、どんないい訳が出てくるのか

なんとかは風邪を引かない!?

整形外科のある先生
「カゼがこわいからね、うちは熱がある人は待合室に入れないんだ。カゼ気味の人が来たら空気清浄機を最強にするね」
「そうですか、まわりにうつったら大変ですもんね」
「いやいや、ボクにうつったらいやだからさ」ぎゃふん
患者さんからカゼもらったこと無いのが私の自慢ですが、なにか?

ご利用は計画的に

「大変だす、クスリ切れでしまって。昨日来たばって、休みになってだがら」
「そうですよ、といっても、もともと祭日じゃないですか。カレンダーに載ってるし。急に決まったわけじゃないんですからね。少し余裕を持たないと」
日曜日や連休には決まって電話があります
「今日やってますか?くすりがなくなってしまって」
でもこの手の患者さんは、そのぶん多めに出してもやっぱり切れてから来る

去る者は追えず

半年ぶりにカゼぎみでいらしたHさん
「あれっ、そういえば前回はめまいがして吐いて大変で、いろいろ検査して点滴までしてましたね。大丈夫だったんですか?」
「ええ、次の日にはもう良くなりました」
「はあ、でも血液検査の結果が大丈夫だったから良いですけど、聞きに来ないとわからずじまいで、ヘンな話、手遅れになったりすることもあるし」
治らなければまた来ますが(あるいは他に行くか)、元気になってもそれっきり
結果を確認できずに報われないことも多い因果な商売です

転載:月刊東洋療法 221号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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