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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 225号

政策の変化はもちろん患者さんの受診に直結します。特にお役所は医療費を目の敵にしているようで、点数をいじくり回しては医者や患者さんの受診行動をコントロールしようとします。そして反省もないまますぐにやめてはまた別のアイデアを試し・・・。振り回されるのは医療スタッフと患者さんたち。「医療は現場で起きているんだっ!」と叫びたくなりますね。でも「患者さんに笑顔を取り戻してもらう、そしてその喜びを日々の糧とする」という基本は忘れずにいたい「医師の一分」なのです。

師走はせわしない

「Bさん、今年一回も検査してないでしょう。今日どうですか?」
「今日ですか、時間かかりますか?」
「採血と心電図なら10分もかからないですよ」
「そうですか、でもこのあと予定があるので…」
「10分もとれないんじゃあ、総理大臣並みですね、結構ですよ、すぐにお帰り下さって」
『ホントに具合悪くなるまで待つしかないですね』そういいたくもなります

避け(酒)られないつきあい?

「どうですか、おサケは?」
「いやあ、ここんとこ忘年会が続いて大変なんですよ、つきあいが多くて」
「そうでしょう、でもネ、厳しいこと言えば、宴会に出ても、つきあってずっとのむ必要はないでしょう?」
「まあね」
「ウーロン茶にしてもいいし、はしごしなけりゃいいわけだし」
「そりゃそうですけどねえ」
内心楽しくてのんでる自分がいるわけで、酔うとコントロールできなくなるんですよね
(よくわかります、自分もそうですから、自爆)

子どもはかぜ(風邪)の子

予防接種していてとても気になることがあります
問診票に「喘息・アレルギー性鼻炎」と書いてある子がとても多い。
何種類も何ヶ月もクスリを飲んでいたりします
本人はいたって元気そうです。
よくよくきいてみると
「いつも鼻を垂らしている」「あさばん咳をする」くらいの症状
「思い切ってやめてみたけど、なにもかわりませんでした」というお母さんも
ちなみにうちの子なんか、いつもハナ垂らして朝晩ゲホゲホしてますが全く気にしてません!

歌を忘れたカナリヤ

カゼで受診した小学生の女の子、おばあちゃんが付き添ってます
「どうしました?」
「なんかカゼ引いたみたいで、セキしてるんです」
「他に何か症状はありますか?」
「のども痛いみたいで、鼻水も出てますね」
「頭とか痛くないかな?」
「頭は痛くないみたいですけど」
「本人がしゃべれるでしょう? ねえ、どうかな?」
「・・・」
じっとおばあちゃんの顔を見てだまっています
代弁者がいるので自分で答えるのを忘れてしまったのかな!

ネガティブな訊き方

「クスリを多めにもらうことはできないでしょうね」
「いいえ、差し上げますよ」
「胃カメラをやってもらうわけにはいかんでしょうな」
「いいえ、いつでもやりますよ」
「今度の検査結果は、だめだったでしょう?」
「いいえ、まずまずでしたよ」
う~ん、奥ゆかしいのか、謙虚なのか・・・
かえってイライラする私の受け止め方は『間違っているんでしょうね』

全部ってどのくらい?

「検査、ぜんぶおねがいしますだ」
「全部って言っても、いろいろあるからね。具合悪いんじゃないんでしょう」
「ぐあいだばいいす。全部調べてください」
いままでは「ここは人間ドックじゃないんだから」「保険つかえませんよ」等々、
説教したりもしましたが、あまりご理解頂けないのでやめました。
それに、自己負担が増えてから、こういうヒトも減りましたし
「じゃあ胃カメラからやりますか」「えっ、胃カメラは結構です」「ほらね」

転載:月刊東洋療法 225号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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