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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 226号

「医者の不養生」といいますが、確かに医師の平均寿命ははっきり言って患者さんよりも短いと思います。毎年人間ドックを受けている医師もいますが、人に胃カメラ勧めてるくせに、自分は一度も飲んだことがない医師もいます。えっお前はどうかって? 数年前に胃カメラ大腸ファイバー、MRIと受けたことがあります。その体験後、患者さんへの検査姿勢はさすがに変わりました(いい意味で)。しかし、その後サボっているのであまり偉そうなことは言えません。事情は様々ですが、身を持って「先生はどうしてそんなに元気なんですか、なにかやってるんですか?」と聞かれるくらいでありたいものです。

火災警報です

糖尿・高血圧・肥満で狭心症もあるSさん
「このあいだニトロ欲しいっていうのであげましたけど」
「ええ」
「何度か使ったんですか?」
「ええ、少し使いましたよ」
「少しって、何回くらいですか?」
「そうだなあ、2~3回かな」
「かなって軽く言ってますけど、もう少し危機感を持ってくださいよ」
「へえ」
「狭心痛というのはとても危険なサインなんですからね
たとえば火災警報が鳴ってるようなものです」
『そういえば先月、警報が3回ばかし鳴りましたな』という人はいないでしょう

体重計こわい

「どうですかMさん、体重は変わらないですか?」
「いえ、体重計がこわくて、しばらくのっていません!」
「そうですか、でもホントにこわいのは病気ですからね
毎日乗って、こわくなくなるところまで行きましょうよ」
「ひえー」
「さあ、体重計に乗ってくださいっ!」
女性にもおかまいなしにそんなこと突然言う私がイチバン怖いんでしょうね

出血大サービス

「いつものおくすり下さい」
「あれっSさん久しぶりですね」
「ごぶさたしていました」
「いつものといっても、半年以上前ですけど」
「ええ、バスがなくなって、なかなか来れなくなってしまって・・・」
「そうですか、仕方ないですね、まずお出ししますよ」
「あと"いつもの"注射もお願いします」
「わかりました、せっかくはるばる来て頂いたんですからサービスしますよ」
針刺すんですから、これがホントの出血大サービスですね

説得力に欠ける人々

「ヘビースモーカーの在宅酸素のセールスマン」
「減量を説得するメタボリックな体型の医師」
「一度も検診を受けたことのない保健事業者」
「歯並びの悪い歯医者」
「腰痛持ちのマッサージ師!?」
説得力のある医師であり続けるのは、結構大変です(汗;)

「閉じた質問」「開かれた質問」

「大丈夫ですね」
「変わりないですね」
これが閉じた質問。決めつけるので返事はどうしても
「だいじょうぶです」
「かわりないです」に誘導されがち
「大丈夫ですか?」
「変わりないですか?」
これが開かれた質問。同じように聞こえますが
「ええ、大丈夫です」
「そういえば、ちょっとめまいが」
相手に対して白紙でオープンに接している状態です
看護婦にはいつも開かれてあるように指導していますけど

月9ドラマ(月曜朝9時の外来物語)

比較的のんびりなうちの外来ですが(トホホ)
さすがに月曜の朝や土曜午前は混み合います
週末熱出したひと、疲れてめまいを起こした人、薬切れの人・・・
ざわざわゴタゴタしているなかで、決まっているんですよね
「年に一回の胃カメラ希望の人」
「介護保険の意見書作成の方」
「健診受け損ねたので一通り検査お願いします」などなど
水曜の午後にきたらもっとゆっくり診てあげるのになァ

転載:月刊東洋療法 226号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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