トップ > お知らせ一覧 > Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし)231号

Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 231号

単細胞といわれるゾウリムシも食べて排泄して動いて、つまり「生きて」いる命です。人間の体は60兆もの細胞でできているとされます。その一つ一つが生きていますが、単体で取り出されると命を失う。全体では心臓と呼吸が止まり神経が反応しなくなると命を失ったと宣言します。沢山のご臨終に立ち会っていると、いのちの、生きていることの奇蹟に驚かずにはいられません。

一番のリサイクル

例のごとくかみさんは庭の「雑草」をとっています。
虫に刺され、暑い日差しに照りつけられながら。
「ふう~、ホントにたくさんあるわよね。これ、何かにリサイクルできないかしら、もったいない」
「そうだなあ、そのままほっといたら、二酸化炭素を酸素に変えてくれるから一番いいリサイクルになるんじゃないかなあ」
「・・・」
なんか、言ってはいけないことをいってしまったようです

ハシカ(麻疹)の蕁麻疹?

「わたし今度東京に旅行に行くんですけど、はしかが流行ってますよね」というのは60過ぎの女性。
「わたしは自分の子どもがはしかで高熱出したときもなんともなくて、予防注射もおぼえてないから、大丈夫か調べて欲しいんです」
「はしかが強いウイルスだから怖いんでしょう?」
「そうです」
「じゃあ、子どもの看病して、かからない方が難しいと思いませんか?」
「??」
「まあ、ご心配でしょうから調べてみますけどね」
「やはり大丈夫、抗体は陽性ですよ」
「まあ、よかったわ。これでもう一生安心して暮らせますわ」

ダメ押しにダメだし

「市の大腸癌の健診で2回とも引っ掛かったんです」
「いわゆる便潜血ですね」
「そうです」
「じゃあ、大腸の検査をしないといけませんね」
「それで相談なんですが、もう一度便調べてもらえませんか?」
「やるのはかまいませんが、大腸癌を早めに見つけるための検査なんですよ。尿蛋白なら陰性になったらOKとも言えるけど、たまたま陰性になって
安心してもあまり意味はないですよ」
そういってBさんは2年も検便の結果を無視しているのでした、トホホ

お役所機能評価表

市の基本健診実施中ですが「生活機能評価表」の設問の一番目は
「バスや電車を利用して一人で外出していますか」
聞きたい趣旨はわかりますが、この町では隣町にでも行かない限り電車は使わないしバスも本数が減って使えません。ここを「いいえ」にマルした人に聞いたら
「だってほとんど自家用車だもの」
「ですよね」
まあ、現場をあまりわかっていないお役所の考えは評価できますけどね

家事は運動か?

「少し太りましたねえ、コレステロールもあがっていますよ」
「朝から晩まで、カラダは忙しく動かしてるんだけどねえ」
「何か運動しているんですか?」
「いえ、うちの中の仕事ですけど」
「みなさんそうおっしゃるんですけどね。意地悪にいいますけど、家事がいい運動になるんだったら、主婦の皆さんは立派なスポーツマン(ウーマン)体型になっていてもいいわけですよね」
「まあ、そりゃそうですけど」
家事が楽だとはいいませんが、スポーツは気持ちよく汗をかくのが違うのかも
(工夫次第で家事もいい運動にすることはできますよね)

ひざもむくれる?

「見てくださいよこのヒザ、腫れてるでしょう。痛くて歩けないし、むくんでくるし。薬塗って、痛み止め飲んでなんとかしのいでいるんですよ」
「それは大変ですね」
「まあ、若い頃からずっと無理してきたからでしょう」
「そうですか、じゃあ、ありがとうっていってあげないとね」
「えっ?」
「文句も言わずに働いてきたのに、ありがとうの一言もないので、ひざもむくれてるのかもしれませんよ(笑)」
からだはただの道具や部分ではなくて、たくさんの命の集まりかもしれませんもの

転載:月刊東洋療法 231号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
PAGETOP