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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 232号

「わかっちゃいるけどやめられない」と言いますが本当にわかれば行動が変わるはずで、そうでなければ頭(理屈)でわかったつもりなだけで、本当には「腑に落ちていない」わけです。無意識にその状態を望んでいるのでは?と思うくらい頑固な方もいます。一番大事なのは本人の「気づき」だと思う最近ですが、それすら外部の意のままにはならないと、天に下駄を預け始めているタコなのです。

カーナビか宇宙人になったつもりで

「うちのおじいさんはボケて同じことを何回も聞いてくるんですよ。まあ2~3回ならいいですけど、5~6回にもなると腹が立ってきて、どうしてそんなに聞くのって怒ってしまうんです」
「はあ」
「すると、オレはわからないから聞いてるのに、なんだその態度は!って」
「僕のカーナビは、どれだけ道を間違えても怒らないで何度でも道を指示してくれますからね、エライモンです」
Bさん「うちのおばあさんは、おまえはなんでそんなに物忘れがひどいんだ!っておじいさんに怒られてばっかりで、本人は気にしていないって言うけど、腹にため込んでイライラしているんですよ」
「それでこんなに血圧が上がってるんですね。おたがい宇宙人だと思って、何いってるかわかんないな、やりかたも違うなって、聞き流せればいいんでしょうね」

あきらめが肝腎

「この間の血糖検査ですね。う~ん、薬足してみたけど全然下がっていませんね。もう薬では限界だなあ。食事や運動についてはずっとお話ししてきましたものね。ボク的にはギブアップだな。」と、わざとつきはなしてみました
「・・・」
2ヶ月後自分から「検査お願いします」と、なんと血糖は下がっているではないですか!
危機感を感じてようやく頑張ろうという気になったのでしょうね、しめしめ
戦おうとすると敵は強くなる「作用反作用の法則」ですね

本当に無医村?

「連休中に風邪を引いてしまってセキがひどくて大変なんです」
「えっ、休日夜間急患センターには行かなかったんですか?」
「なんですか、それ?」
「まさか、知らないんですか?」
「ええ」
「そうですか、びっくりですね」
「そんなのがあるんですか」
「かくかくしかじか(と、説明)じゃあお休みの日はこのまちは無医村になると思っているわけですね」
「コンビニ受診」が問題になっていますが、おとしよりはすごくガマン強いです

無理に病気にならないで

「どこかお具合の悪いところはありますか?」
「え~と、そうですねえ、たまに便秘することがあります」
「はい」
「あと、それから、え~と、なんだったかなあ、忘れちゃったなあ」
「まあ、忘れるくらいだったら、今は大丈夫いうことで。無理に思い出さなくても」
「えっとー・・・」
すべて挙げないと、なんだか損したみたいに感じるんですよね、たぶん

急がなくても大丈夫

「あれっ、血圧高いですね、どうかしましたか?」
「ええ、いま急いで走ってきたからだわ」
「なんで急いでるんですか? 用事でもあるんですか」
「いえ、お昼前に来なくちゃと思って」
「といっても、まだ11時ですよ。うちは午後もやっているし、
そんなに慌てなくても」
そうやっていつも何かに追われているように感じてると血圧が上がるんでしょうね

個人情報は大丈夫?

診察後、看護婦に注射されながら
「ああ、そうだ、先生に聞くの忘れてたわ」
「なんですか?」
「草取りして肩が痛いから湿布もくださいって、言うの忘れて」
「わかりました、先生に伝えますから」
カーテン越しにわたしが叫びます
「いいですよ、出しておきますから」
うちはワンルーム診察室なのですべて筒抜けなんです(いいんだかわるいんだか)

転載:月刊東洋療法 232号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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