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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 234号

我が町の祭典の季節です。山車も神輿も人手不足で減りつつあります。それでも、祭りに向けて老若男女、ヤンママから老人会まで、相談したり喧嘩したり、何とか形を整えていく。この過程で町内会や世代間の交流が保たれているのがよくわかります。まさに、神懸かりの壮大な技なのだろうなと、その仕組みに感心してしまったタコなのでした。結構しんどいですけどね。

万事ジュース(休す)

「この間の血糖検査ですが、あがってますな」
「そうですか?」
「何か心当たりはないですか?」
「はあ、特に変わってないですけど」
「暑くなると、わりにジュースなんかを飲むことが多くなりますが」
「いや、わたしはああゆう甘いものは飲まないです」
「そうですか、でも、意外とオロナ○ンCとかリポビ○ンDなんかにたくさん砂糖が入っているのは知らない人が多いんですよね」
「えっ、オロナ○ンもだめですか!」
「ほら飲んでるでしょう。ああゆうのは飲み口がいいように甘くしてるし、コー○に至っては入ってる砂糖の量もハンパじゃないですよ」
あんまり言うと営業妨害になるのでこれくらいにしておきますか

頼り頼られて

「おばあちゃん、ひとり暮らしなんですけどなんだか具合がわるいっていうので連れてきました、暑いのにずっと草取りしてるからだと思うんだけど」
「あれ、前はちゃんと通っていたのに、一年ぶりですね」
「・・・」
「病院いってるの? ってきいたら、もう行ってないっていうし、ヒトに頼りたくないっていうから、なにも言わないできたんです。でももし倒れたりしたら、わたしも困るし、と思って」
「そうでしたか、なんだかさびしい話ですな」
「ヒトに頼りたくない」も「何かあって頼られても困る」も、コインの表と裏ですね

がんばらない

「せんせい、最近私どんどんやせてきたんですけど、何か悪い病気じゃないでしょうか?」
「食欲がないんですね」
「ええ、夜も眠れないし、つかれやすいし」
「でもね、こういっちゃなんですけど、3ヶ月前にご主人を亡くされたばかりでしょう?」
「ええ」
「人生最大のストレス、っていうくらいで、あたりまえといってはなんですけど、それで、あなたどこかわるいんじゃないのっ? て言う人はいないと思いますけど」
「そうでしょうか」
「まあ、ご心配でしょうから一通り検査はしてみますけどね」
「お願いします」
「がんばらない」って本がありましたけど、みんながんばりすぎかも

ころばぬ先の

「おかわりないですか?」
「はあ、腰が悪いのはまだなおんねえす」
「まああんまり言いたくはないですけど、それだけ腰が曲がっていると腰にかかる負担も大きいですからねえ。ちなみに杖は使ってますか?」
「うんにゃ」
「どうして? まだ、そんなおばあちゃんじゃないっ、というところですか?」
「・・・」
「だまされたと思って使ってみてください、けっこう楽になりますよ」
「そうですかねえ」
保険にはいるくらいなら杖を買った方がおすすめかも(また営業妨害か)

これ捨てろーす?

「食欲がないということで、この間検査しましたが」
「ええ」
「まず大丈夫ですね、貧血もないし、栄養状態、肝臓なんかも正常でした」
「そうですか、よかったわ」
「強いていえばコレステロールが少し高いけど気にしなくていいです」
「えっ、大丈夫でしょうか? やっぱり、タマゴとか控えた方がいいですか?」
「ほらね、そうやって気にするから言いたくなかったんです。食べられないって言ってるヒトに、こういうものを控えてくださいっていうのは、ナンセンスでしょう」
宣伝が効きすぎてコレステロール恐怖症のかたが増えているようです

転載:月刊東洋療法 234号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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