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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) 238号

うちの地域では、高齢や病気を理由に約半年で三つの開業医が閉院しました。
「医療の高齢化問題」というと、高齢化した患者さんの増加が取り上げられますが、じつは開業医の平均年令は60才近く、医者としてカウントされていても実質廃業状態の医院もあり、数年後に一挙に減少する可能性もあります。
勤務医の労働環境の改善ももちろん必要ですが、高齢化する町医者も大事に・・・ しましょうね。

紹介状は履歴書です

「というわけで、あそこの病院に通うのも大変になってきたのでこちらでお薬もらえないでしょうか?」
「そういうご事情でしたら仕方ないですが、ちなみに紹介状は」
「いえ、もらってません、なんだか都合悪くて」
「お気持ちはわかりますが、紹介状がないと損するのはご自分なんですよ。」
「はあ?」
「たとえば、就職するときに履歴書を持たないで雇ってくれと言うようなもので、今までどんな仕事をして、こういう特技や資格を持っています、というのを何も言わないでいるようなものです」
うちに来ていただいたのを素直に喜べないソンな体質です

スーパーとコンビニの役割?

「あそこの外来は混み合ってるので、私みたいなのは近くの診療所に行ってくれって言われたんです」
「そうですか(ようこそ)事情を詳しく説明する時間すらないので、そんな印象になってしまうんでしょうが、急性期を過ぎて安定し、コレステロールのクスリだけ飲んでいる方が半日も病院にかけるのはもったいないということなんですよ」
「はあ」
「例えば、レジが長蛇の列なのに、前の人が缶コーヒー1本だけだったらどう感じますか?」
「近くのコンビニか自動販売機で買えばいいのにって」
「その感じです」
おまけに、そのスーパーの方が値段が高かったら!?

なんこうはなんこうでも

「せながけくて(背中がかゆいので)みでけれす」

「はは~ん、カサカサですね。冬になって電気毛布使ったりするから乾燥してるんだね、しっとりさせる軟膏でも出しましょうか、って、いつも出してるじゃない!」

「だばって、ぬってける人いねもん(塗ってくれる人がいない)」
「・・・」

‘軟膏’じゃなく家庭環境の‘難航’ですね、なにをつけたらいいんでしょう?

カラダの声を聞きましょう

「ひどい下痢で、おなかが痛くて、吐き気もするんです」
「熱もあるようですから今はやりの胃腸炎のようですね」
「そうですか」
「ご飯は食べられないでしょうね」
「でも食べないとなおらないと思ってムリして食べてます」
「下痢がひどい間は食べない方が良いですよ。水分と塩を少々とっていれば」
「大丈夫ですか?」
「体は、腸の中のウイルスや毒を外に出そうとして一生懸命なんです。そこに食べ物を送り込んだら、仕事を増やしてじゃますることになります」
ホントは下痢止めすら必要ないんですが、すると医者もいらなくなる!

質の問題です

「体重増えてきましたねえ、運動何かしてますか?」
「まえは散歩してたんですけど、ぜんぜん体重が減らないからやめてしまいました」
「そうですか、体重減らすのを目標にしちゃいけませんね」
「えっ!?」
「散歩がからだに良いのは異論がないわけで、体重減らなくても脂肪が筋肉に置き換わってるかもしれないでしょう」
日差しを浴びてさわやかな外気に当たってカラダを動かす心地よさ、それに気がつけば、サンポしないのがもったいなくなるでしょうしね

未来希望図

田舎では、田んぼを前におばあちゃんが嘆いています
「若い人が手伝ってくれれば、この田んぼをつぶさなくてもすむんだけんどなあ」
都会では、仕事のない若者が炊き出しに並んでいます
「働き口があって、毎日お米だけでも食べれれば、なんとかなるんだけどなあ」
日本中の田んぼをもとにもどして、みんなでお米を作って配ればいい
「それじゃあ喰っていけない」
「なら食べていけるシステムに帰ればいい」
・・・未来希望図は、あんがいとシンプルです

転載:月刊東洋療法 238号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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