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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) (239号)

すっかり肥満の代名詞になったメタボ(メタボリックシンドローム)や整形外科領域ではロコモ(ロコモティブシンドローム)、認知症という呼称も認知され、CKDやらCOPDやら医学界では次々に新しい病態が「開発」されているようです。もちろんわかりやすく状態をまとめて予防啓発につなげようという意図と解釈できますが、別の解釈もできるし、健康と病気の間に境界線なんてあるのかしらん、と思っているタコとしては、苦々しくもあるこの頃なのです。

雪国の子は太っている?

「うちの子学校で肥満だって言われて、病院に行くように言われたんです」
「そうですか、ちょっとぽっちゃりしてるけど、1%ひっかかっただけだし糖尿もないのでまず問題ないでしょう。運動してバランスよく食べてね」
北日本は肥満児が多いという指摘があり、冬の間の運動不足が原因だと。確かに一理ありますが、育ち盛りにダイエットはないでしょう。
北国では寒さに対して皮下脂肪をたくわえるので南国と単純に比較すること自体ムリがあります。
ただし親が同じ体型の場合は、もちろん家庭の食事に問題があるようですが

最悪予想の的中率

「先生、休み中にめまいがおこったらどうしましょう?」
「そのときはそのときですから、急患センターに行くなり、ひどければ救急車を呼ぶしかないでしょう」
「そんなあ~だいじょうぶですかね」
「保証はできませんけど、今から考えたからってどうなるわけでもないし」
こういう人に限って、一月後にケロッと受診されるんですけどね
私の経験では、最悪の予想が的中するのは100回に1回もありません
(ただし不安にかられるほど的中率は上がります!)

信号は急に変わらない

「おっとー、どうしたの急ブレーキふんで」
「ゴメンネ~、だって信号が急に変わったから」
「急にって(黄色とばして赤になるわけないしその前に歩行者信号の点滅も見えてたハズだし)」
「なに?」
「いや、べつに。気をつけてね」
(ボーと考え事していて赤信号に"急に"気づいた、というとこでしょう)
夕方「子どもが急に熱出して」というのも同じしくみが多いような

湾岸診療所

「また厚○省からのアンケート調査です」
「うわっ、そんなに分厚いの!?」
(このあいだ医○会の患者減少の調査を延々とかいたばかりなのに)
「診察に5分以上かけないと点数を減らす」
「高齢者の入院のうちかなりは医療を必要としない」とか、紙資料と机上の議論でいじくりまわしたあげく「事務作業が増えている」ことを調べるのにアンケートするような仕事ぶり
「事件は現場で起きてるんだー!!」と叫びたくなりますネ

たよりがないのは

「あら、しばらくぶりですね」
「ええ、今日はカゼできました」
「そうですか、このあいだは、あんだけおなかが痛いってヘンな病気じゃないかって心配していろいろ検査しましたけどね」
「そんなこともありましたねえ」
「・・・まっ、いんですけどね」
「便りがないのは良い便り」といいますが、ちょっと「たよりない」なあ

ないかいいん

「ゴホン、ゴホン」
「くしゅん、くしゅん」
「エヘン」
(おや、きょうはずいぶんとカゼひきさんが多いみたいだなあ)
あれっ、患者さんじゃないのか職員か(苦笑)
そこで一句
「患者より 看護婦多い 内科医院」
うーん、ちょっと(かなり)さびしいですねエ
そこでひとひねり
「患者より 看護婦多い いいんでないか」
おあとがよろしいようで・・・やれやれ

転載:月刊東洋療法 239号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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