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Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし) (242号)

ゴールデンウイークが過ぎると、田植えが始まり、いわゆる農繁期ですから、農家の方は俄然忙しくなります。80すぎの方でも作業を手伝ったり、言われてもいないのに(!)草取り、山菜採り、タケノコ採りに繰り出したり。それで体調崩したり遭難したりもあるので「『命取り』になるよ!」と注意するのですが、後を絶ちません。それにしても田舎の山菜は本当に美味しいので、それがタダ同然で手に入るのだからやめられないんでしょうね。

振り込め詐欺対策

「いまだにだまされる人がいるから、おばあちゃんも気をつけてね」
「ああ、わだしだば大丈夫だす。そういえばこのあいだテレビでやってだな、オレオレ詐欺にあわないための5ケ条とか」
「へえ~どういうの」
「えーと、まず頭文字で覚えるんだ。なんだっけかな、サシスセソかな」
「それは調味料でしょう(笑)」
「えーと、なんだったがな」
「覚えやすくするはずの標語も、こじつけすぎで思い出せないんじゃね」
それだけ反応がにぶいと、犯人もあきらめるでしょうけど

嬉しい瞬間

「あのう、胃のところにしこりを見つけたんですけど」
「どれですか?」
「ここですほら、出っ張ってるし、硬いけど少し動くんです」
「はは~ん、大丈夫です。これは剣状突起という骨で誰にでもあります」
「そうですか、なんで今まで気づかなかったんだろう」
「胸骨の下についてるんですが、中年になってお腹が出てくると肝臓に押されて目立つようになるんでしょうね」
「悪いモンじゃないかと思って、しばらく眠れなかったのでヨカッタ~」
こういう簡単な(失礼)ことで喜んでもらえると、すごく嬉しいです

害獣クジョ?

「タケノコ採り、山菜採りの季節だね」
「みんな山に繰り出してるようだね」
「クツに鈴をつけてる理由は知ってるかい?」
「うん、熊よけだろう」
「里にも熊が下りて来て、こないだも一頭駆除されたって」
「熊もイノシシも、いまどきはニホンザルも駆除される」
「そうだね、人を襲うし畑を荒らすからね」
「クジョっていう言い方の傲慢さがガマンならんね、害虫とか雑草とか危険動物って、しょせんは人様の都合だろう」
「まあね」
そんなこと繰り返してると、そのうち地球上からニンゲンがクジョされますよ

ルーズビズ

「暑い夏の盛りにクールビズと称してネクタイを外してたら、楽なのでついくせになって、長袖の今でもそのままになっちゃったよ」
「そりゃそうだ」
「ネクタイは患者さんへの礼儀、と思っていたんだけど、ラフなのもかえって気さくでいいかも、と思いはじめてるんだ」
「そりゃ言い訳だね」
「それで良いワケだね」
「しつこい!!」
クールビズならぬ、ルーズビズですね(自分には甘くなる)

ガンは薬で予防できない

「またいつもの風邪薬ください」
「えっ、これで今月4回目ですよ。そんなにセキがひどいんですか?」
「まあ少しね。でも、私タバコ吸うし、心配だから飲みたいんです」
「勘違いしているようですけど、咳止めや抗生剤を飲んだからってガンにならないワケじゃないですよ!」
「そうですか…じゃあ、いいです」
っていうか、まず、タバコをやめるのが先だと思うんですけど

転載:月刊東洋療法 242号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診察する熱き内科医。
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