トップ > お知らせ一覧 > Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし)247号

Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし)(247号)

インフルエンザだけでなく、最近はデングにエボラにと、感染症のニュースが多く、なんだかカタカナだとみんな怖い気がしてきますね。老人ホームはある意味弱い方が集まっているのでかわりばんこに熱を出したりします。中には一度も風邪をひかない人もいるので、こっそり爪の垢を煎じようかしらん!

味噌汁・漬物は素晴らしい食文化

「最近Tさん食欲がなくて、味が薄くて食べられないって言うんです、奥様が漬物を差し入れるんですけど、塩分制限があるのであんまりあげてないんですよ」
Tさんは施設にいてガンを治療している90過ぎのおじいさんです
「あれっ血圧高いんだっけ?」
「いいえ」
「じゃあいいじゃない好きなだけ食べてもらえば」
「いいんですか?」
「もちろん」
「血圧はコントロールされましたが、本人は衰弱しました」じゃシャレにならない
塩分・コレステロール悪者説にすっかり洗脳されているようです

卒病があってもいい?

「あれお母さん施設に入ったんじゃなかったんですか」
「ええ、でもまた家に帰すことにしました」
「あわなかったのかな」
「ええ、まあ」
「薬もだいぶ変わりましたね」
「そしたら昼間ふらつくようになって」
「でしょう」
「糖尿があるからって食事制限されて、家でも制限しなくちゃだめですか」
「いいですよ、どうせそんなに食べられないし、好きなものを今まで通りで」
するとおばあちゃん、うれしそうにニッコリ
「娘さんは90歳になって食事制限されたいですか」
「いやです絶対!」

伝言ゲームの危険

「ダンナさんの検査結果ですが、血糖はだいぶ下がってますね、逆に低血糖の症状がないか聞いてみてください。かくかくしかじか。それがあるとお薬を減らさないといけません」
と、奥様に説明。帰られたあと本人から電話です
「先生、お薬を減らすと言われたんですが、私は減らしたくないんです」
「今減らすとは言ってませんよ。かくかくしかじか。」
「そうでしたか、私はてっきり・・・」
「あいだに人が入るとこうなんです。ある意味予想通りですが」
直接説明してもうまく伝わらないのに伝言になると意味がまるで変わったりする

伝言されないゲームの手間

「もしもし、○○と申します、患者さんの紹介で問い合わせなんですが」
「どういった患者さんですか」
「かくかくしかじか」
「ちょっとお待ちください内科の外来とかわります」
「かわりました、外来です、どういった患者さんですか?」
「かくかくしかじか」
「じゃあ先生にかわりますので・・・はい、どうしました?」
「患者さんの紹介ですが、かくかくしかじか、という病状なんですよ」
私は予想してるし、慣れてるから良いですけど、患者さんだったらネエ

親ばかのシアワセ

「ねー、パパはちいさいときなにになりたかったの?」
5才になるうちの娘が突然きいてきました
「パパかい、そうだなぁ、パパはおまえのパパになりたかったんだよ」
なんの気なしに出てきたセリフにすこしビックリ
「・・・」不思議そうな顔をしていた娘も、ニッコリ
台所できいていたかみさんはニヤニヤしてます
あんがいと、それも間違いでないようなきがしました

転載:月刊東洋療法 247号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ
昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。
PAGETOP