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Dr.タコの外来小咄 (250号)

寒い冬はもちろん、普段にも増して厚着のおばあちゃんたち。ヒートなんとかの下着など着ませんから肌着を何枚も重ね着するタイプが多くて、なかなか肌があらわれません。らっきょうみたいにむいてやっと肌にたどり着くと、汗でびっしょり。「ガマン大会じゃないんだし、過保護にしてるとかえって弱くなっちゃうよ!」でもまあ転んだときのクッションだと思って、むき続ける毎日なのです。

物忘れ外来

「うちのおばあちゃん、薬は自分で管理できるというから任せていたんですが、このあいだ確かめたら、いっぱい飲み残しがあって」
「それは無理でしょう、なにしろもう90歳ですよ。あわないと思うのは捨てたり、飲み残してたりしますから、やはりお家のひとがみてあげないと」
「そうですよね、そういえば、おばあちゃん、こないだから脳外科にも通うって言ってたんじゃないの?」
「そうだっけ?」
「そうそう、なんだっけ、そうだ『物忘れ外来』だ!」
通い続けること自体、難しい外来のようですね


同じ吸うなら楽しまなくちゃ

「血圧はいいですね、安定していますよ」
「でも私ここで測ると少しあがるし、いろいろと心配で」
「もったいないなあ、よくコントロールできてるんだからもっと自信を持って、血圧のことなんか忘れるくらいでいいですよ」
「そうでしょうか?」
「たとえば、肺ガンになったらどうしよう、なんて思いながらタバコ吸うくらいなら、うまいなあ、スッキリするなあと思って吸った方がまだましでしょ?どうせ吸うならね。」
だから吸えといってるわけではありませんので、悪しからず

鏡の法則

「はい、胸診るからね、暴れないでよ」
そういって男性看護師が手を押さえつけます
おばあちゃんは怖い顔で「なにすんだー、やめろ~」
じたばた、一度叩かれたことも!
「内科の先生が診察しますからね、ここ少し持ち上げてもいいですか?」
「ん~、あいよ」同じ方がおとなしく診察させてくれます
ついてるのはベテランの女性看護師
相手は自分を映す鏡といいますが、わかりやすい実例ですね


血圧占い

仕事柄、血圧はこれまで何万回測ったかしれませんが、密かな楽しみ方があります。デジタルなのでたまにゾロ目が揃うのです
「えーと血圧は、166の66、脈も66ですね(ワーオ)」
体重計も同様「先生、体重は77.77キロでした」
「そりゃすごい!(何が?)」
パチンコでゾロ目が出るより、確率は低いと思います、1から9まで、それぞれ意味があるので(僕なりに)、内心喜んだりドキッとしたり
一年中この数字とにらめっこするための、秘策なのです

バットウーマン

かつて出張先の病院で後輩の女医さんを指導する立場になったことがあり
もちろん悪いコではないのですが、気になったのがその返事
まず最初に返ってくるのが「・・・デモお」なのです
「あそこは、こうしたほうがいいんじゃないかな」

「でも、こうなんですよ」ってかんじ
意見が一致した同僚と、飲み会の席でそのことを指摘しました
「きみさあ、そのなんにでも『でも、でも』っていうのやめてみたら?まず一回でいいから『はい、そうですね』っていってごらんよ」
その返事はもちろん「・・・でもお」やれやれ


転載:月刊東洋療法 250号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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