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Dr.タコの外来小咄 (253号)

桜前線が日本列島を北上し、受験やら選挙があって、あちこちでサクラサク季節でした。山ほどあった雪も、溶けてしまえば本当に幻のよう。それでも、雪の重みでひしゃげた屋根や、折れた木の枝にその爪あとは残ります。そして私たちもフキノトウのように、何度でも芽を吹き出すのです!

3分間の記憶力

「おじいちゃんしばらくですね、お元気そうでなにより」
「コンニチワッ!」
「元気はいいんですけど、物忘れがひどくて大変なんですよ、なんせ3分前に言ったこともすぐに忘れて、また同じことを繰り返すんですから」
「でも、ある意味シアワセかもしれないですね」
「えっ」
「嫌なことツライこと口惜しいこともすぐに忘れて、リスタートできるわけで、治そうとするとしんどいですから、暖かく見守ってあげてね」
心配と後悔抱えて額にシワ寄せている奥様よりよほどお気楽だし


まちつぶし

「ほらみてごらん、クッション付きの地下足袋、今度の祭りで履こうと思ってまちの呉服屋さんで買ってきたんだ」
「へえーそんなのがあるんだ」
「似たようなのスーパーセンターで売ってたわよ、もっと安いんじゃない」
「・・・」
「なんだか箱がボロっちいね、パパ」
「そうだね失敗したね、スーパーでもっと安く買えばよかったんだ(呉服屋さんはパパの足に合うのを選んで、知り合いだからって値引きしてくれたんだけどね)」
そうやって自分の街をつぶしてきたことに、まだ気づかない


あなたならどう答える?

看護婦が健診の問診をしています
「『ほぼ同年齢の同性と比較して歩く速度が速いですか?』だと」
「別に人と比べたことないからなあ」
「速いほうだが?」
「まあ普通だね」
「へば、いいえだな」
「いいえ、だと遅いってこと?それがわかんないから、はいといいえの真ん中に◯してきたんだけど」
「それでか、ギャハハハ」
そこで、わたし「『いいえ』でも普通はあり得ますから。至極まっとうな疑問ですよ。一方で『食べる速さは速いですか』には、速い、普通、遅い、の選択になってるし」
手間かかる割に実りの少ない?お上からの下請け仕事なのです

夢のヤセ薬?

「冬の間に太ってしまって、座るときもドッコイショってなってしまうんだすよ。先生、頼むす」
「頼むって言ったって、僕が無理くり痩せさせるわけにもいかないし」
「だがら、痩せるクスリってねえべが」
「まあ、ないですな。TVでやってるやせ薬でも試したら?(笑)」
体重が軽くなるかは保証しませんが、お財布はきっと軽くなります

噛み合わない会話

「せんせい、手術した傷口が赤くなってかゆいんだばってなんだべ」
「うーんバイキンが入って化膿してるのかもしれないな、いつからなの?」
「シップ貼ってたらすこしいいから様子みでだんだ」
「長いのかな?だんだん広がってるの?」
「痛くないからなあ」
「抗生物質で少し様子を見ようか、効かなかったら外科行かないとね」
「で、せんせい、これなんだべ?」
二人でお互いにひとり言をいって、どうなる!?

転載:月刊東洋療法 253号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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