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Dr.タコの外来小咄 (254号)

桜が散り暖かくなると、外来では農家の方の姿を見なくなります。田植えや畑で忙しくなるんですね。それを過ぎると、くたびれてあちこちしんどくなった皆さんが帰ってきます。大きくなる子どもたち、年度末の疲れた先生方、行事のない病院でも、自然にわかる季節の移ろいです。

問題を作らないで!

「血圧が高くて困ったもんです」
「どれどれ、これぐらいならいいですよ決して高くないから」
「そうだすか、でも上がったり下がったりで」
「ロボットじゃないんだから、これぐらいの変化は普通ですよ、心配ない」
「んだすか、でも年いげばいろいろ具合悪くなるから困ったモンダ」
「いまは元気なんだからいいじゃないですか、ありがたい事ですよ」
ありもしない問題を次々につくって悩んでしまう、ホントモッタイナイ


肥満児とヒマジン

保育園の健診にて
「この児、体重が多くて肥満度が30%を超えているんです」
「まあまだ4歳だし、いい体格しているから問題ないでしょう」
「措置はいいですか?」
「ソチ?」
「親御さんに食事制限とか指導は必要ないですか?」
「よほどの過食とか偏食があれば別だけど、元気に遊んでるし大丈夫でしょうね」
「はあ」
「あくまで統計上の目安なわけで、子供に制限はちょっとネ。お相撲さんになる人もいるわけだし」
「それはそうですけど(まったく極論だわ、ほんとに医者かしら)」
「なにか?」
そんな悩む時間があったら一緒に遊んであげたほうがよほどいい


建前と本音3連発

「ボクはさあ、影で人の悪口言うの嫌いだから言わないけど、◯◯ときたら会うたんびに人の噂話、陰口いうからダメだよな」
「それって、◯◯の陰口じゃないの?」
「俺は子供の意思を尊重したいから、叱りつけて自分に都合のいいようにコントロールしようとは思わないんだ。おまえもやめたほうがいいぞ」
「そうやって、俺のことをコントロールしようとしてるじゃない」
「イジメは許せないよな、きっと犯人を見付け出して、責任取らせて思い知らせてやらないとな」
「それもイジメの発想と同じじゃないのか?」
「説教臭いネタは鼻につくよな」「お前だって(自爆)」

モチはもち屋

「わたしバレーボールをやって腰を痛めてしまって、きのう整形外科で検査して注射してもらいました」
「それでどうですか」
「今日になったらあんまり痛いからまた行ったんです、そしたら注射はできないって」
「でしょうな」
「それでここでもっと良い痛み止めの注射してもらえないかと思って来ました」
「そんなのがあれば向こうでとっくに使うし、専門家がダメって言うのにできるわけないでしょう!」
八百屋に「魚屋でブリが売ってなかったんで、こちらでくださる?」って言うようなもんで、少しは我慢しましょうよ(トホホ)

危険地帯

「今朝からなんだかカゼっぽくて、ザワザワするんですよ」
「熱はないようですね」
「でもいまインフルエンザが流行ってるから、かかったら大変だと思ってとんできたんです」
「そうですかご心配はわかりますけどね。ご覧のとおり待合室は珍しく混んでる、インフルエンザの人がわざわざ沢山集まるところ、ご存知ですか?」
「まさか・・・」
「そうです、病院の待合室です!」
「(絶句)」
人ごみを避けてきた人が、わざわざ危険地帯に飛び込むとも言える、ボクは本当に医者なんだろうか?!

転載:月刊東洋療法 254号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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