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Dr.タコの外来小咄 (255号)

うちは電子カルテではありません、紙カルテを手作業で取り出します。しかしなかなかバカにならない「え~とほら、血圧でかかってる腰の曲がったおばあちゃん、ちょっと太めでペタペタ歩くヒト」すると「たぶんこの人ですね」と出る、このファジーさ。今時の情報流出の心配もありません。

高齢化社会のメリット

「というわけで、おばあちゃん一人暮らしで急に具合悪くなって入院して、退院したのはいいんですけど、面倒見られないから施設に入れることにしたんです」
「でも一人暮らしの次がいきなり老人ホームじゃあんまりですね」
「じゃあ、どうしたらいいんでしょう?」
「いろいろ手はありますよ、相談する専門の部署もあるし、周りに沢山お仲間がいるでしょう」
「なかま、ですか」
「ええ、同じような境遇で悩んでる人、家族が」
そういう例に事欠かないのが高齢化社会のいいところ?ですから


長い「ショート」

「この方はショートステイを何度か繰り返していて、今度正式に入所されることになりました」
「そうでしたか」
「こういう人は結構多いんですよね。入所待ちの間も面倒見れなくて、ショートの間に少しだけ自宅に帰ってまたショートを繰り返すんですよ。これが結構長くなるんですね」
「長いショートというわけですね」「はい(苦笑)」
むしろ施設に住んで自宅にショートステイすると言えます(トホホ)


専門家のホンネ

「保険会社の社員が保険の裏側を暴いた本というのがあってさ、社員がみんな自社の保険に入ってるかというと、そうでもないと」
「はは~ん、お客に勧めるのに、自分は別の保険に入っている」
「そうなんだ、そしてそれが専門家が勧める良い保険かもしれなくてさ」
「ありがちだね、裏側を知ってるから本当にいいものを選べる」
「そう、車のセールスマンが乗る車、女将が選ぶお店、農家が食べるお米」
「もちろん、一致するシアワセな場合もあるだろうけど」
「そこで質問なんだ、君はカゼの時はどんな薬をのむんだい」
「決まってるじゃないかレバニラを食べてとっとと寝るのさ」
「・・・」

そのウソホント?

「認知症の進行を抑える薬とか、骨粗鬆症の悪化を食い止める薬とかって怪しいよな」
「あやしい?」
「これを飲まないともっと悪くなっていたのを阻止したんですよ、というのを証明するのは、同じ人で比べられないからムリだと思う」
「そうかなあ、ちゃんとした臨床試験してるはずだし」
「それまでボケとかトシとかいっていたのを、○○症と名づけ変えると、さも病気になる、すると、病気なら治せるはずだと思うようになる」
「確かに希望を持たせることにはなるかもね」
まあビミョーと言われる頃にはがっぽり儲けてるんだろうけどなあ
(このお話は、あくまでフィクションです)

バッタとミミズ

うちでは兄弟げんかが日常茶飯事
「へん、おまえなんかスタミナないからすぐにへばるじゃないか」
「そんなことないよ空手やってるからキックとパンチなら負けないし」
「ふんだそんなへなちょこパンチ、オレはスキーやってバテないし」
「こらこらいい加減にしなさい。べつにみんなそれぞれなんだ、比べなくていいだろう。バッタがミミズに、お前ジャンプできないなって言わないし、言われてもミミズは気にしない、じゃあお前土にもぐってみろなんて言い返すか?」
「ふん、バッタとミミズの親のパパは一体なんなのさ!」
「・・・」

転載:月刊東洋療法 255号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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