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Dr.タコの外来小咄 (256号)

昼休みに、郊外の温泉の露天風呂に浸かるのが、私の小さなぜいたくです。都会の人がわざわざ来て泊まるような風情のある旅館が、すぐそばにあり日帰り入浴できる。「この街には何にもない」などと若者は言いますが、私に言わせれば宝の山に囲まれた秘境だと思えばいいのです。

病気を作って治す?!

「こないだ骨密度検査というのをしてもらったんです」
「どうでした?」
「骨が年齢より年取ってる、コツソショウショウだって」
「そうでしょうなあ」
「それで骨を丈夫にするクスリを勧められて」
「そうなるでしょうね」
「どうしたもんでしょう」
「痛みとかは」「ないです」
「骨を丈夫に、というとちょっと語弊があるかもね。皇○じゃあるまいし、骨が薄くなるのを抑える、という効能です。運動して陽に当たって、小魚や青菜なんかをしっかりとれば、それに勝るものもないと思いますけど」
そのうち皮膚科で「顔のシワも病気です」って言い出すんじゃないかなあ(もう言ってるか!)

自分にメッセージを

「いやーまた朝から動悸がして、おまけにおしっこが近くて」
「どうしたんですか、何かあったんですか?」
「いや、ちょっと心配事があってね・・・」
「またですか、大変ですね。脈は乱れてないし血圧もそこそこだから、少し落ち着く注射して休んでいってください」「はい」
そして3日後
「今日は血糖検査に来ました」
「その後、動悸や尿はどうなんですか?」
「そっちの方はもうなんともないです」と晴れやかな顔です
「じゃあ三日前の自分に伝えてあげてください"必ず平和な明日が来る、心配事もみんな過ぎていくから大丈夫"ってね」

からだ検索

「こんど総合病院の内科でCT検査するって言われました」
「えーっと、そうか胃の大きなポリープを取ってもらって、その後も通ってるんでしたね。でも、どうしてCTとるか聞きましたか?」
「いえ、なんにも」
「そうですか、みなさん従順ですよね・・・」
「胃の方は大丈夫だって言われたんですけどね」
「例えばね『今度お宅の家宅捜索をさせてもらいますよ』って言われて『はいどうぞいいですよ』とは言わないでしょう。『どうして何のために捜査するんですか』となるとおもうんだけどなあ」
ある意味、最高最大の個人情報ですけどね!

ニセ医者の人気

「ニセモノの医者の事件があったけど、なんでバレないんだろうね」
「うん、彼はクスリや病気の知識がない、バレないためにはどうするか。話術巧みに誠意をたっぷり示して患者さんに接するだろう、それで患者さんも安心・満足を得る、うまくすれば病気も治ってしまうんだろうね」
「してみると、君はどちらも下手だから、きっと本物なんだろな」
「・・・」
親切な偽医者と、無愛想な本物の医者、どっちがいいんだろう

転載:月刊東洋療法 256号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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