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Dr.タコの外来小咄 (258号)

真面目な話、2発の核爆弾投下に加え、原発事故があり、現在でも、結核検診、肺がん・胃がん検診、さらには脳ドックと称してCTまで受けている事を考えると、残念ながら日本は世界有数の被爆国と言えます。それでいながら世界一の長寿を誇っているんですから、これも不思議ではないでしょうか?

ひとごとでしょうか?

「ご夫婦揃ってお久しぶりですね」
「年に一回の検査をしてもらおうと思って、この人は耳が遠いから私がついてます」
「旦那さん、今まで毎年胃の透視だけど、今日は胃カメラをやりませんか?やったことないでしょう」
「はあ、ツライってきくから」
「胃透視は結構被爆する上に、カメラに比べれば情報が少ないし」
「じゃあやってみます」
「えーと、奥さんも同じ検査でいいですよね」
「いえ私は胃透視の方でお願いします」
「・・・あのう、今の私の話、聞いてました?!」
結局、割に楽だったという旦那さんに宣伝してもらって奥様も胃カメラになりましたが

効能と副作用

「今お使いいただいている薬で、ある種のがんの発生が多いという報告が海外でされたんです」
「知ってるよ、使うのは少し控えようと思うけど」
「ですが、報告では10万人に6人のがんが8人に増えたという程度でして、またこの種のガンは日本では欧米に比べて少ないんですよ」
「そうやってたいしたことないと言いたいんだろうけど、ちょっとおかしいじゃないか」「?」
「薬の効能をいうときは同じ数字でも、25%も減らしたんです、っていうところじゃないか」
「そういわれればそうですが」
「詭弁なんだな、そんなリスクを負ってまで飲むほどの薬じゃないと思うよ」
統計はいくらでもいじられる、それがわかったのが勉強の成果です

「お迎え」を、待っている

「お久しぶりですね、相変わらずお元気そうで何より」
「こんにちは先生のお薬のおかげでこうして生きています」
「そんなことないですよ、大正生まれの女性は頑丈に出来てるんですから、さすがです」
「なかなかお迎えが来なくて困ってらす」
「ははは、あの世もかなり混み合ってるようで、しばらく待たされるようですよ」
「んだすか」
「それよりこの世を楽しみましょうよ」
「楽しんでらすよ」

「それはよかった」
90過ぎの割に頭のしっかりした方から聞くセリフですね


検診は宝くじ?

「血圧が高いですけど、今までの健診では言われてましたか?」
「ええ、毎年高いって言われてます」
「えっ、で、そのままなんですか」
「はあ、なんにも具合は悪くないし」
「このくらいの血圧で具合が悪くなるんなら、病院はもっと患者さんでごった返すはずですよっ!」
「・・・」
「じゃあ検診の結果がきたら以前のと一緒に持ってきてください」
「いや、前のだばもうなげでねえすよ(捨ててしまってありません)」
「・・・いったいなんのために健診受けてるんですか?」
宝くじを買って結果も見ないで捨てるのと一緒なんですけど


転載:月刊東洋療法 258号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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