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Dr.タコの外来小咄 (263号)

「あちこちで選挙が近づくと、ミサイルが飛んできたり、変なウイルスが流行ったりするよね、たまたまかなあ」じつは、このネタは数年前のミサイル騒動の時に書きました。いまの世界情勢がとても似ていると感じ、びっくりしている今日この頃。まさかの都市伝説?

インフルに振り回されないで!

「この子、昨日の午後熱が出て病院でみてもらったんです。インフルの検査は陰性だったんですが、学校から”きちんと”検査するように言われたもので」
「薬はもらったんですね」「ええ」
「もう一度検査だけすればいいというわけですね(医者の裁量はないなあ)」
十代だし(副作用のリスクから積極的に抗ウイルス薬は勧めない)、元気そうだから陽性でも治療方針に変更はないわけです、もし間違って陰性でも親御さんが責められるものでは無いですけどね
「じゃあ、調べますかね」「アイタタ!」
統計とるのは結構ですが、お金払うのも痛い思いするのも本人なわけで、検査だ薬だ報告だ、騒ぐのはいい加減いち抜けたいですね
「名前の付いたカゼ」なんだし雪と同じでじきに消えるのはわかってるんですから

エリートです

「なんだか急に疲れて歩くのがしんどくなったんです」
90歳になるおばあちゃん。孫がついてきています。一人暮らしで全部自分ですると。聞いてると、ここ一ヶ月以上あちこちから子供や孫が集まって一緒にいると
「一人でのんびりしてたのが、いろいろ家事もして、気苦労が増えたんでしょう」
「何か病気じゃないでしょうか」
「まあ調べますけど、この年になったら何かは見つかるかもしれません」
「よろしくおねがいします」
一人で歩いて普通にお話が出来る時点で、もう超のつくエリートです、老人ホームで60、70歳で寝たきりの人を見ている私に言わせればね

電気毛布性発熱

「おばあちゃん、夜中熱はかったら37.5度あって、なんだかめまいがするって」
「いまは熱ないですね。風邪の症状とかはありますか?」
「特にないみたいです」
「ひょっとして電気毛布使ってます?」「はい」
「もしかしてそのせいかもね」「えっ」
「この時期寒いので電気毛布を最強にして寝てるお年寄りが多いんです。こないだも39度まで上がった人がいました。脱水になるし、肌は痒くなるし喉もイガイガ、いいことないです。寝入りばなだけ弱めにつけて切るのがいいです」
夜中は少し体温が下がるのが、自然なリズムなんですからね

上手に物忘れ

「最近物忘れがひどくて、ばたばた、あわただしくしてます」
「そうですか、でも忘れたことに気づいてるなら、まだいいほうですね」
「そうですか、きょうも慌ててきたから血圧上がってるでしょう」
「どうして慌てるんですか?なにか用事でもあるんですか?」
「いえ別に」
「じゃあ、午後ゆっくり来てもいいわけでしょう?」
「そうですね」
「急がなくちゃ」「人によく見られたい」「忘れたら大変」そんな自分を縛ってる約束事を、先に忘れたらハッピーなんですけどね

転載:月刊東洋療法 263号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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